『Libertine』
気もそぞろでなんとなくリバティーンについて書く気がしなかった。
8日に公開されて最初の水曜日(レディースデイ)に観に行った。
朝っぱらの一番最初の回にもかかわらず女性客がわんさか。
お陰でぎりぎりで会場インしたわたしたちは前の方の席しか取れず…非常に観にくかった。
やっと…ついに…。って感じのリバティーンの公開。
日本出発前から帰国後に観に行くのを楽しみにしてた。
デップが久々の正統派アウトロー(ってなんか語弊が?)をしかも貴族コスでやっちゃうなんて☆☆
『私を好きになるな』なんて言っちゃってるトレイラーを観て心の中で『ムリ~~~!!』
って叫んじゃった(笑え!w)
だけど映画を観てすぐの感想は期待ほどではなかったってこと。
ロチェスター卿の28~33歳までの役を演じたワケだけど、ちょっとシブ過ぎ!!
J・マルコヴィッチが主役を譲ってデップを抜擢したのは分かるけど…異存はないけど…。
ロチェスター卿の放蕩っぷりがそのシブさで半減された気がした。
もうちょっと早い時期にやってほしかったよ!!
(文学作品、ましてや外国のなんてまったくわかんないからよくわかんないけど)
ジャンルも作風も違うんだろうけど、反逆の詩人と呼ばれたランボォを演じたディカプリオの映画を思い出した。
確かランボォも短い生涯だったはず。
わたしはあの映画の方が反逆詩人の閃光みたいなのを感じるなぁ。
まぁ当時10代であろうディカプリオが晩年のランボォを付け髭で演じるのには確かに無理があったけど…。
んん。でも、こうして書いてみたら断然リバティーンのほうが重みのある作品かもしれんと思ってきた。
語り過ぎない映画っていうか…??
もう一回くらい観ないと理解しきれない…難解映画の部類に入る気がするんだけど
リバティーンでわたしが一番印象に残ってるのは
ロチェスター卿が演技指導してるシーン。
細かいセリフは忘れたけど、あそこで交わされたセリフには胸が熱くなったし…
あの女優のタマゴに同感。
画面的には一貫して暗い。
ロチェスター卿視点で描かれる映像がもっと観たかったなぁ~。
公園を歩いてるときに裸の人たちが霧の中でまみれてるシーンみたいな。(幻想的ですてきだった。)
どんな風に彼の目からこの世界が見えてたのか、映像的にもっと観たかった。
彼のセリフやら作品からこの世界をどうみてたのかってのはなんとなくわかるし、語り過ぎない映画ってことでこれはこれでいいのかもしれないけど。
それにロチェスター卿が激し過ぎるというか…あれがリアリティなのかもしれないけど、最後に病気で酷い顔になっちゃう前にもグロテスクに感じる嫌なドキドキ感があった。
もっと楽に生きればいいのに…。才能を自分に都合よく利用すればいいのに…。
それが出来ないロチェスター卿がだんだん痛くって
ついて行けなくなって 『ロチェスター卿よ。ちったぁ落ち着け!!』と疲れを感じつつ…
だけどそれがあったから最後にロチェスター卿が何度も繰り返すことばが切な過ぎるほど切なく感じたのかもしれない。
それまでの波乱を痛みに耐えながら観てきたけど、総てはこの言葉のためにあったんだ!と思ったほど(笑)
エンドロールで何のカテゴリーで出てきたのか分からなかったけど
マーロン・ブランドとハンター・S・トンプソンの名前が出てきたのが未だに気になる。
多分デップの計らいだとは思うけど。
二人が生きてたらきっと見せたかったんだろうな、この作品を。
ロチェスター卿の作品てフツウに本屋で売ってたり図書館に並んでたりするのかなぁ?
どんな作品を書いてたのか気になるところ。
とりあえず、買ったパンフを読んでみるかなー。